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そして、龍也くんと駅に行くことになって、歩くこと数十分。
ようやく駅の前に到着すると、龍也くんは人気のない目立たない場所へとあたしを連れてやって来た。
その場所は、駅の外にあるほとんど光のない薄暗い場所。
きっと、猫がいる場所だ。
あたしがそう思っていると、案の定龍也くんが言った。
「ここに、猫がいるんです」
「!」
「捨て猫で、俺がいつもエサをあげに来てて」
本当は、やっちゃいけないんですけどね。
龍也くんはそう言って苦笑いを浮かべると、
「えいとー、おいで」
そう言って、手招きをした。
…えいと?
猫の名前かな。
そしてあたしがそう思っていると、あたしも見たことがある白い猫が、「ニャー」と物の陰から姿を現す。
「かわいい!」
その姿にあたしが思わずそんな声を漏らすと、龍也くんが猫にエサを与えながら言った。
「去年の春に、ここで捨てられてあるのを俺が見つけたんです。拓海さんが猫アレルギーなので、家で飼うわけにはいかなくて。
いつも決まった時間になると、俺がこうやってこっそりあげに来るんですよ」
そう言って、喜んでエサを食べている猫の頭を撫でる龍也くん。
「へぇ、そうなんだー」
猫、好きなんだな。
……って、ちょっと待って。
“猫アレルギー”??

