【完】狂犬チワワ的彼氏



拓海くんだ!


あたしはそのキャットフードをヒントに、すぐさま拓海くんにそう声をかけた。


すると…




「…、」




あたしの前に歩いていた拓海くんが、その時ピタリと立ち止まってこっちを振り向いた。


…凄く、怪訝そうに。



「…何ですか、妃由さん」

「!!え、」

「俺は拓海さんじゃありませんけど」



そう言うと、あたしから目を逸らしてため息を吐く……龍也くん。


…あ、あれ?龍也くん、だったの!?



「あれっ、あ、ご、ごめんなさいっ!」

「……ま、別にいいですけど」



そして龍也くんは呆れたようにそう言うと、またあたしに背を向けて駅へと向かって歩き出す。



「どこ行くの?」



駅、かな?


そう思いながら問いかけると、龍也くんは前を向きながらあたしに言った。




「駅に行くんです。ついて来ますか?」



そう言うと、あたしの方に目をやって、少し…ほんの少し微笑んだ。