………でも、
「じゃ、じゃあね」
「ん、」
その後木塚くんは結局マンションの前まで送ってくれると、あたしはぎこちなく彼に手を振った。
そんな木塚くんに、あたしはドキドキしながら背を向けるけど…
「あ、あの…!」
「?」
だけどあたしはバイバイする前にどうしても言いたいことがあって、また振り向くと木塚くんに言った。
「夜、電話してもいい!?」
「!」
「え、えっと…21時!21時ピッタシに電話するから!」
あたしはそう言うと、
「バイバイ!」
って、逃げるようにマンションに入った。
はぁ……い、言っちゃった。
言っちゃったよ…。
そう思ってエレベーターに入ると、あたしは独りの空間で思わず笑みを浮かべた。
あたし、本当に木塚くんと付き合ってるんだ…。

