【完】狂犬チワワ的彼氏



そう言って、自信なさげに笑って見せた。


…きっと芽衣は、直樹のことが本当に凄く大好きなんだろうなぁ。

見ていてなんとなくわかる。


そして、あたしが「今、告白しに行ったら?」って言うと、芽衣は首を横に振って「帰り道に伝えるよ」と言った。


最後の最後で、か。

そっか、その方がぎこちなくならないもんね。


あたしが相づちを打つと、その時部屋の向こうで「そろそろ行くぞ」と直樹の声が聞こえた。



………


………



楽しい三日間は、本当にあっという間だった。

拓海くんのことで悩んだりしたこともあったけれど、でもそのおかげで前より仲良くなれた気がするから、終わり良ければ全て良しってことで。(終わらないけど)

帰りも電車を乗り継いで家に向かうと、あたしはようやく到着した駅で芽衣と直樹に手を振った。



「じゃあね」

「うん、バイバイ」



直樹は何だか独り納得がいっていない様子だったけど……まぁ芽衣の告白のために良しとする。

あたしは2人を見送ると、やがて隣にいる拓海くんと一緒に帰った。



…芽衣の恋が、上手くいきますように―――…。