あたしがそう言って芽衣の傍に駆け寄ると、芽衣が「だって…」と下を向く。
「…やっぱ、言えないっていうか」
「…」
「自信がない、よ」
そう言うと、「あたしには無理」と弱音を吐く。
でも、芽衣の気持ちもわからなくもない。
いや、むしろよくわかる。
だってあたしも拓海くんに告白するまでは、そんな感じだったから。
でも…
あたしはそんな芽衣を見ると、励ますように言った。
「大丈夫だよ、芽衣」
「…」
「結果はどうであれ、気持ちを伝えることに意味があるんだから。今言わなきゃ、きっと後悔するよ」
そう言うと、「頑張って来い、」と芽衣の肩を軽く叩く。
それに…告白の相手は、あの直樹だ。
きっとあたしが拓海くんに告白をした時みたいに、「キモイ」とかそんな酷いことは言わないだろう。
直樹は表面上も優しいから。
そう思いながら芽衣の言葉を待っていたら、やがて芽衣がまた顔を上げて言った。
「…ん、じゃあ……頑張ってくる、よ」

