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それからは、立てていた計画通りにバーベキューや肝だめしをして、4人でたくさん楽しんだ。
肝だめしは2人ずつのペアで行って、あたしはもちろん拓海くんと回ったけれど、怖すぎたのと緊張したのとで正直その時のことはあまり記憶にない。
でも…
「なぁ…いつかは2人で行こうな」
「え、」
「泊まりがけで、別の場所に」
「!」
終始散歩気分で歩いていた拓海くんがあたしにそう言ったのを聞いて、その言葉だけはしっかりあたしの脳に刻み込まれた。
拓海くんがそう言ってくれるのは珍しいから、そのぶん嬉しさは半端なく大きくて。
その翌日。
最終日になっても独り浮かれ気分でいたら、そんなあたしに芽衣が言った。
「…ねぇ妃由」
「うん?」
「あたし…やっぱ加藤くんに告白するの、やめようかなぁ」
「えっ!?」
芽衣はそう言うと、「はぁ…」と深いため息とともに膝を抱える。
…実は、あたしが帰る準備をしていたら急に芽衣が部屋にやって来て、突如そう言ったのだ。
そんないきなりの芽衣の言葉を聞くと、あたしはびっくりしながらも言った。
「…な、なんで?
ってか、せっかく今直樹と良い感じなのに」

