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買い物が終わって別荘に荷物を置くと、それからあたし達は予定通りに夕方まで海で遊んだ。
4人でも楽しく遊んだけれど、最終日の芽衣の告白の為にちゃんと直樹と二人きりにさせたりして。
「…あの二人、お似合いだよね」
砂浜で二人で遊んでいる芽衣と直樹の姿を見ながらあたしがそう言うと、拓海くんは特に興味なさそうに「…あぁ」って相槌を打つ。
そして、砂浜の上に仰向けに寝転がる拓海くんの隣にあたしも寝転ぶと、拓海くんが呟くように言った。
「…そう言えば、お前さ」
「うん?」
「ずっと疑問に思ってたんだけど、お前は俺のどこを好きなわけ?」
「…え」
「だって、俺こんなだよ。全然優しくないしお前のことブスって言ってばっかだし…
なのに何で、お前は俺のことが好きなの?」
拓海くんはそう問いかけると、目をぱちくりさせるあたしを見遣る。
…どこを…?
そんなの、あんまり考えていなかったけど…。
「……顔、かなぁ」
「!」
「あたし、拓海くんのそのクリクリした目が好き!」
あたしは少し考えると、素直にそう言って笑顔を浮かべた。
でも、
「…顔かよ」
拓海くんはそう言うと、不満そうにあたしから目を逸らす。
…あれ、顔を褒められて嬉しくなかったのかな?
あたしは、自分の顔を褒められたら嬉しいのに。
それに気が付くと、あたしはまた少し考えて…

