【完】狂犬チワワ的彼氏



「家、何処なの」



木塚くんはそう言うと、横目であたしを見遣る。


…へ、



「い、家?」

「うん」



そして超至近距離で合った視線に慌てて逸らすと、あたしはうつ向きながら木塚くんに言った。



「こ、ここから歩いて10分のとこ!××のマンションに住んでる!」



超ドキドキしながらそう言ったら、木塚くんが「意外と近いんだな」って呟く。


…ど、どうしたんだろう。

何でそんなこと…。



…ま、まさか…!



「っ、送ってくれるの!?」



そんな木塚くんの言葉にあたしが顔を上げてそう聞くと、木塚くんがため息交じりに言った。



「ちげーよ、聞いただけだよ」

「!」

「めでたい女だな、お前って」



そう言って、あたしから呆れたように目を逸らす。



「……」



…なんだ、違うのか。

期待しちゃったじゃん。紛らわしい。