【完】狂犬チワワ的彼氏



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そして、放課後。

教室にある鞄を持って、生徒玄関で靴を履き替えていると、そこへ木塚くんがやって来た。



「牧野、」

「!」



木塚くんはあたしの苗字を呼ぶと、あたしの傍に遣ってくる。


き、木塚くんっ…!


その突然の姿に、あたしはびっくりしたのとドキドキしているので思わず顔をうつ向かせる。


……ってか、“キモ女”って、呼ばないんだ。


そう思っていたら、木塚くんが言った。



「帰るぞ」

「えっ?」

「…」



そしてそれだけを言うと、更にびっくりしているあたしの腕を木塚くんが掴む。


…え、ちょっと待って。

それって、一緒に帰ってくれるってことでいいの!?


そう思って、



「ふ、二人きりで帰ってくれるの!?」



あたしが嬉しさのあまりそう聞いたら、その瞬間木塚くんが不機嫌そうに目を細めて…あたしを見た。