……………
「直樹!」
そして、その後。
あたしは廊下で木塚くんと別れると、そのまま真っ先に直樹がいる教室に戻った。
あたしがそう声をかけると、他の男友達と仲良く雑談をしていた直樹が「…何」とあたしを見遣る。
友達が多い直樹の周りには他の生徒もたくさんいるけれど、あたしはそれに構わずに早速直樹に報告した。
「聞いて!あのね、あたしの恋不可能じゃなかった!」
「…どゆこと?っつか、何イキナリ」
「だから、木塚くんと付き合えることになったの!木塚くんに、俺と付き合えって言われちゃった!」
「!?」
あたしは満面の笑みでそう言うと、嬉しさのあまり思わず直樹の肩をバシバシ叩く。
そんなあたしの心の中には、昨日の木塚くんから言われた酷い言葉なんて綺麗さっぱり消えていて。
ついでに、「アドレスも交換したんだよ!」ってそれを見せると、直樹の表情が一瞬にして固まった。
「…マジかよ」
「え?」
「いや、ううん。すげーなお前、おめでとう」

