すると、いつの間にか人影が、こちらに近づいてくる気配を察した。 そちらを見てみると、その顔は、じーっとこちらを向いている。でも、誰だか分からない。 勇気を振り絞って訊いてみることにした。 「ねぇ、あなたは誰なの?」 …でも、何も答えてくれない。 私の目の前で歩いていた足を止めたので、その疑問を抱き様子を見ていると、その人の大きな手が、まるで何かを確かめるかのように、私の頭をそっと撫でてくる。