2人だけの秘密。



思わぬ広喜くんの言葉が、あたしの中の広喜くんへの想いを真っ直ぐに突き刺す。

あまりの予想外の言葉にあたしが何も言えずに黙っていたら、亜季さんが自身の服のポケットからあるものを取り出して言った。



「嘘ばっか並べないで。…本当にただの友達かしら?」

「いや、だから俺はっ…」

「ねぇ、広喜。友達なのにどうして合鍵まで持ってるの?」

「!」




そう言って亜季さんが取り出したのは、あたしのマンションの合鍵。

すると、ついさっきあたしに「合鍵が見当たらない」と言っていた広喜くんは、それを見るなり顔を青ざめる。

かなりマズイ展開にあたしも不安でいると、もう誤魔化せなくなった広喜くんが亜季さんに頭を下げて、言った。



「っ…ごめん!」

「!」

「ごめん、亜季。俺、亜季が疑ってる通り、鏡子に浮気してた。

でも、これは信じて?鏡子のことは、別に本気で好きなわけじゃないから!コイツとは、マジでアソビだし!」



広喜くんは必死にそう言うと、冷たい表情をしている亜季さんに近づく。

その様子をあたしは傍で見せつけられて、あまりの酷い言葉にあたしの中の何かが音を立てて崩れていった。



…あたしは本気で広喜くんのことが好きだったのに、広喜くんはやっぱり違ったんだ。

あたしの勘違いなんかじゃなかったんだ…。


あたしが二人を見ながら立ち尽くしていると、広喜くんがふいにあたしの方を振り向いて、合鍵を渡しながら言う。



「…ごめん、これ返すわ」

「!」

「俺、亜季のことが一番大切だし」