2人だけの秘密。




あたしは柳瀬店長の言葉を半信半疑に受け取って、ゆっくりと後ろを振り向く。



「…本当に、何もしてないんですか?」



思わずそう問いかけたら、柳瀬店長はすぐに頷いて言った。



「うん」

「!」

「っつか、俺そんな卑劣な男じゃないからね」



柳瀬店長はそう言うと、少しだけ笑って見せる。


…信じらんない。

男の人とこういうふうに二人きりになったら、今までは絶対にヤられるものだと思ってた。

なのに、柳瀬店長は違うんだ?

彼女がいるから?


……わからない。何で?


独りそう考えて首を傾げていたら、やがてそんなあたしに柳瀬店長が言った。



「…とにかく、まだ帰らないでよ。せっかくちゃんと話せる時が来たんだから。ね?」



そしてあたしがその言葉に黙って頷くと、柳瀬店長はまだ寝起きの目であたしを部屋の奥へと連れ戻した。



…っていうか、いいのかな。

あたしもそうだけど、柳瀬店長彼女いるんだよね?

なのに、部屋であたしなんかと一緒にいていいの…?


そんなことを考えながら突っ立っていたら、柳瀬店長がまたあたしに言う。



「ほら、隣おいでよ」



優しい口調でそう言って、座っているソファーの隣を手のひらでぽんぽんした。