そう言ってその場から立ち上がり、
「失礼しました、」
と、柳瀬店長に頭を下げると部屋を後にしようとする。
でも…
「待って!」
「!?」
何故かそれを、柳瀬店長に止められた。
柳瀬店長はあたしの腕を掴むと、再度同じ言葉を口にする。
「…待って、鏡子ちゃん…」
「…」
「あのっ…昨日無理矢理ビール飲ませて、部屋に連れ込んだことは謝るよ。
でも夕べは決して鏡子ちゃんには手出してないし、
連れ込んだのは今日大事な話をしたかったからで…」
柳瀬店長はそう言うと、あたしの腕を掴んでいる手の力をだんだん緩めていく。
「…、」
…大事な話…?
っていうか、“手出してない”って…そんなことがあり得るの!?
「…鏡子ちゃん?」
だって…だって広喜くんはいつも、あたしに逢う度に絶対手出してきたのに。

