2人だけの秘密。



寝ぼけたようにしてゆっくり起き上がるから、

あたしはその間に身を隠す。

ちょうど近くにあった本棚の陰に隠れると、心臓が高鳴るのを必死で抑えた。


…何で隠れるのかは、自分でも謎だ。

わけがわからない。隠れたってどーせ見つかるのに。


そう思いながら、息をすることも慎重になっていると…

柳瀬店長がこっちに向かってくるような足音が聞こえてきた。



「鏡子ちゃん…?」

「!」



あたしの名前をそう呟きながら、だんだんこっちに近づいてくる。

…マズイ、やっぱり隠れてるのバレバレだった?

そう思って、ぎゅっと目を瞑っていたら…



「…居た」

「!!」



柳瀬店長が、本棚の陰を覗き込んだ。



「何でそんなところに居んの」



そしてそう笑って、今度はあたしの顔を覗き込む。

目が合った瞬間心臓が大きく飛び跳ねて、あたしは柳瀬店長からふっと目を背けて言った。



「…あたし、帰ります」

「え、」