2人だけの秘密。



「昼間、俺と何処かで会ったことがあるかとか聞いてきたじゃん」

「はい、」

「何処かでって…五十嵐さんは何処で俺と会ったの?」

「!」



柳瀬店長は前を見据えたまま、あたしにそう問いかけてくる。

まさかそんなことを聞かれるとは思ってもみなくて、あたしは内心慌ててしまった。


…だって、本当のことはばか正直にはっきり言えない。

「夢の中で会いました」なんて言ったら、場合によってはドン引きされるかもしれないから。

だからあたしは、目を泳がせながら言った。



「…さ、さぁ…すいません、忘れちゃいました」

「え、」

「あ、それより柳瀬店長!これ、ここがあたしのマンションです、」



あたしはそう言うと、話を逸らすようにしてマンションに指を差した。

すると柳瀬店長は、マンションの前に車を一旦停止する。



「では、お疲れさまです!ありがとうございました、」



そして、あたしは逃げるように軽く頭を下げて、すぐに帰ろうとした。


……でも、その時。



「待ってよ」



何故か柳瀬店長に、その腕を掴まれた。