そう思いながらも、仕事だから仕方なくポップを一枚一枚作成していく。
自分で手先は器用な方だと思っているから、こういう仕事は嫌いじゃない。
そしてしばらくして何枚か書き終わると、事務室に柳瀬店長が戻って来た。
「出来た?」
「あと二枚書いたら終わりです」
「そう、」
柳瀬店長はあたしの言葉に相づちを打って、自分のデスクに向かう。
椅子に腰を下ろすとパソコンの電源を入れて、何やらカタカタとキーボードを打ち始めた。
「……」
そんな柳瀬店長の姿を、あたしはポップを書くフリをして盗み見る。
確かに柳瀬店長はイケメンだし、夏木さんも「仕事にやる気が出てきた」と張り切っていた。
……けど、そんなことはどうでもいい。
あたしが気になるのは、やっぱりどうしてもあの夢のことと、
柳瀬店長がどうしてあたしが今夜広喜くんと会う約束をしたのを知っていたのかってことだ。
柳瀬店長には、謎が多すぎる。
そう思っていたら…
「なに?」
あたしの視線に気がついていたらしい柳瀬店長が、パソコンの画面に目を遣ったままあたしにそう問いかけてきた。

