2人だけの秘密。


「んんーごめんねぇー。っつか逢いたかったよハニー」

「!」


そう言いながら靴を脱いで、真正面からあたしを抱きしめてくる修史さん。

けど、それは素直に嬉しいけど…凄くお酒くさい。

どれだけ飲んだらこんなに酔うんだろう。

あたしは修史さんに抱きしめられながら、そんな彼に言う。


「わ、わかったから離してよ。苦しい」

「だーめ。もう離してやんない。ほら、せっかくだから一緒にお風呂入ろ?」


酔っている修史さんは全く聞く耳持たずで、あたしの話をまともに聞いてくれない。

修史さんはそのままあたしをお風呂場に連れて行こうとするけど、それでもあたしは修史さんを引き留めるように言った。


「まっ…待って修史さん!」

「?」


あたしがそう言うと、修史さんは「なに?」とあたしの方を見遣る。

そんな修史さんに、あたしが「その前に修史さんに聞きたいことがあるの」と言うと、修史さんが言った。


「聞きたいこと?…あ、わかった!鏡子のことなら愛してるよ。確かに最近は忙しくて言えてなかったもんね」


そう言うと、またあたしの言葉を聞かずに「ほら早く」と再びお風呂場に向かう修史さん。

“愛してるよ”は確かにいつだって聞きたいけれど、でも今はちょうと違うかな。

それでも先に進もうとしないあたしに、修史さんがあたしの顔を覗き込む。