あたしが玄関に行くと、修史さんは寝ているミキちゃんをおんぶしていた。
「…あれ、寝ちゃってるんだ」
そんなミキちゃんを見てあたしがそう言うと、修史さんが靴を脱ぎながら答える。
「うん、さっきまで会場で立ったまま寝ちゃっててさ。
限界みたいだったから、帰って来た」
「そうなんだ、ありがと」
そう言って、あたしはミキちゃんの靴を脱がせて修史さんからミキちゃんを受け取った。
…いつもなら21時でもまだ寝たがらないのに、珍しい。
そう思いながらミキちゃんの寝顔を見つめていると、ふいに修史さんに名前を呼ばれた。
「鏡子、」
「うん?」
なに?
その声に、あたしが修史さんの方を振り向くと…
「ただいまのチュー」
「!」
そう言って、優しく頬にキスをされた。
「…ミキちゃんが起きちゃう」
そんな修史さんの行動に、あたしはドキドキしつつも可愛くないことを言ってしまう。
…ほんとは嬉しいのに。

