2人だけの秘密。


「へぇ、ミキちゃんっていうんだ。今いくつ?」

「…みっつ」

「3才なの?かーわいいねぇ~」



愛佳は何故か慣れた様子でミキちゃんとそう会話をすると、

ふいにミキちゃんの頭を優しく撫でた。



「…慣れてんな」



そんな愛佳に思わず俺がそう言うと、愛佳がミキちゃんから視線を外し、その場から立ち上がって言う。



「こう見えてもあたし、保育士だから。子どもの相手をするのは得意なの」

「へぇ」



愛佳は自慢げにそう言うけれど、確か学生の頃は「子どもが苦手」とか言っていたはずだ。

それなのに今は保育士って……人ってこんなにも変われるモンなんだろうか。


だけど愛佳のその言葉を聞くと、カズキが悪戯顔で言った。



「でも愛佳はさ、親が保育士だからって無理矢理保育士にさせられたんだってよ。

ついさっきまで俺に“もうやめたい”とかぼやきながら、お前の前じゃカッコつけるんだな」


「…え」



そう言うと、愛佳をからかうように笑う。

だけどそれは本当のことらしく、愛佳は「ちょっと、カズキ!」って怒ったように口を膨らませた。


…へぇ、



“…あたし、子どもなんて好きじゃない”



昔あんなことをぼやいてた、あの愛佳がねぇ…。