その女性とは、矢津愛佳(ヤヅ アイカ)。
俺が学生の頃、一番最初に初めて付き合った女だ。
愛佳が俺の方に向かってくる際一瞬だけ目が合ったけれど、俺はすぐにそれを逸らした。
だってコイツとは嫌な思い出があるから。
「…久しぶりね、修史くん」
「そ、そうだね」
そして愛佳たちが俺の傍に来ると、まず最初に愛佳がそう言ってニッコリ笑顔を浮かべた。
…その姿はそりゃあ少しは大人になってるけど、あんまり変わらない。
そう思いながらふいにカズキに話を振ろうとしたら、その時“ミキちゃん”の存在に気付いたらしいカズキが言った。
「!!あれ、なんだこの子!もしやお前の子供!?」
そう言って、ミキちゃんに向かって指を差す。
そんなカズキにミキちゃんはほんの少しビビってしまって、また俺の後ろに隠れてしまった。
…んな大きな声ださなくても。
そう思いつつ、
「…うん。まぁね」
血がつながっていないから少し曖昧な返事をすれば、
カズキの隣にいる愛佳が、ミキちゃんと視線を合わせるようにしゃがんで言った。
「こんにちは、」
そう言って愛佳がまたニッコリ笑顔を浮かべると、ミキちゃんは戸惑いつつも「…こんにちは」って小さな声でそれを返す。
「お名前は?」
そして言葉を続けてそう聞くと、ミキちゃんは俺の足にしがみつきながら答えた。
「…みき」

