そう言ったと同時に、また修史さんと視線がぶつかる。
オレンジの優しい夕陽が、あたし達を優しく包む。
そしてまだ少し肌寒い風が吹いた時、あたしは何故か泣きそうになるのを我慢して言葉を続けた。
「…だから、あたしと、その……恋人、になってくれますか…?」
途切れ途切れにそう言うと、あたしはいたたまれなくなって修史さんから視線を外し、うつ向いた。
自然と震えてしまう手をぎゅっと握って修史さんの言葉を待っていると、修史さんが呟くように言う。
「…もちろん」
「!」
そしてそう呟いた直後、正面から思いきりあたしを抱きしめた。
その行動にドキッとしていたら、修史さんがあたしの耳元で言う。
「…こんなに愛してんのに、一緒にいないわけない」
「!」
「ありがとね、鏡子。すげー嬉しい、」
修史さんはそう言うと、あたしを抱きしめる腕の力を強くした。
…修史さん…。
あたしはそんな修史さんを嬉しく思いながら、そっと彼の背中に腕を回す。
……きっと、あたし達はこの瞬間が一番幸せだった。
そんなあたし達の姿を、“夏木さん”が見ていたなんて…
この時のあたし達は、知るよしもない―――…。

