「「……」」


周りに誰もいない通学路で、響くのはあたしたちの靴音だけ。


話があるから一緒に帰ろうって言ってたのになにこの空気!


鈴谷がなにも話さない。



やっぱりあたしのこと迷惑って話じゃないの花凛?



てか、迷惑してるのはあたしだし!

うんそう、残念なんて少しも思ってない。

はず。


「~♪~~♪」


唐突に。


本当に唐突に、鈴谷が鼻歌を歌い出した。


「……なんの歌?」


ちらっと顔を見ながら言うと、鈴谷は少し残念そうな視線をあたしに向ける。


ん?なに?その目は。


「覚えてねーかぁ……」


小さく呟いたその言葉は風に流されあたしの耳には届かなかった。