「ん?どした?そんなにそわそわして」


HR中、ずっと髪を気にしたりしていると、さすがに隣の席の花凛にバレた。


だってなんか落ち着かないんだもん!


「いや、別に……」


「ははーん、鈴谷絡みだな」


「……」


花凛って昔から変に勘がいいよね。


長い髪を揺らして、ふふ、と花凛が笑う。


「まぁまぁ、そんな意地張らなくてもあたしは応援するよ」


「か、勝手に納得しないでよ」


実際、心が揺らいでるのは間違いない。


「今日、話があるって言われて一緒に帰るんだけどさ」


「へぇ、話ってなんだろね」


「あたしが迷惑とかそういうことかな?」


「……みやって、ばか?」


花凛のくせにあたしをバカにするとは。


むっ、と眉を寄せると


「だって、付き合えって言われただけで、好きとは言われてないのに、最近話しかけたりして……」


「みやって恋に臆病なタイプなんだね、意外」


「なっ、こ、恋とか!」


「まぁ、その可能性は低いから大丈夫だよ、楽しんできて」


「え、うん?」


あぁ、色んな意味でどきどきしてきた。