「ふう。ま、こんなもんかな?」


そう言って私は歩き出す



手応えがない


これが外?

案外期待外れだな


「す、すげーな!愛梨!」


は?

何がすごいの?

こんな弱い化け物を倒しただけで?!


私は相手を睨みつける


「何が“俺らが倒す”よ。手も足も出なかったじゃない。」


このままだと本当にみんな死んでしまう

それだけは避けたい


また、私は歩き出す


みんながその後ろに続く


今日はもう化け物には出会わないと思っていたのに

でも今日はこれだけじゃ終わらなかった


それから1時間

何の変化もない

辺り一面、荒野と廃墟

 
この風景も見慣れたな

気温は39度





相変わらず暑い

なんか足がふらついてくる
さっき十分に休憩をしなかったからかな

駄目だ

目眩が…


足がもつれてその場に倒れ込んだ


「愛梨?!」

みんなが駆け寄ってくる

朦朧とする意識の中で考えた

みんなに弱いとか言っておきながら自分が一番弱いじゃん

だっさ。

「愛梨?!」

「おい!愛梨?!」

みんなが私を呼ぶ

今日は力を使いすぎたかな?

本当にダサいな…自分


と、そこで私の意識が途切れた