白いベンチに座ると、


「あの時、ここで倒れたんだ」



靴の裏で地面の砂をこするように、なぞりながら呟く。



有は、その時の事を丁寧に思い出しながら、説明してくれた。


「改めて、ありがとう…」



「だから~」



また、照れくさそうにカワイイ年下の男になってしまった。


それから、しばらく2人の間に沈黙が続き、
噴水の周りで、はしゃぐ子供達を静かに見つめていた。