年下オトコと秘密の恋

一度、大きく深呼吸。


地球上の空気を全部吸い込む勢いで、
小さな体を大きく、

めいいっぱい、大きく伸ばした。


そして、心の中で『ヨシ!!』と小さく呟き気合いを入れた。


「名前…名前…」


気合いを入れた結果、単語責めみたいな感じに……


「名前?」


男は、カッコイイ顔を少し傾けて聞き返し、
私は、うんうん、と首を大きく縦に振った。

今にも、もぎ取れるぐらいに。


「松川有、そこの会社で働いている20歳…」


大きな木々の間から、微かに見えるぐらいのビルを指差しながら答えてくれた。