『加藤 花さん』
「はーい!」私は高校生になった。
私は加藤花。
多分、どこにでもいるふつーの女子。

取り柄もなにもない、いままで賞状を貰ったのは
暗誦のテストに合格した一回だけ、
なんて悲しい経歴を持ってたりもする。

入学式なんて、どーでもいいや。




「自己紹介をしてください。」

えーやだな。高1にもなって自己紹介か。
自己紹介は苦手だ。

いや、人の前にたって注目されるのが苦手だ。

あ、私の番だ。
「加藤花です!好きな食べ物はーイチゴ?
部活頑張りたいです! 花って呼んでください。
一年間よろしくお願いします」

あー終わったー!
皆とおんなじように、"普通"にできたかな?

ん?あれ誰だ。

『広瀬ひかるです。イギリスに住んでました。
日本にいたのは4年なので国語を頑張りたいです。
サッカー部に入るつもりです。
ピアノ8年やってました。
一年間よろしくお願いします。』


あ、帰国子女居るんだっけ?この学校。
すご。英語ペラペラじゃん。


私は頑張った。
皆が来れないような頭のいい学校へ入るために。