「…み、…ぐみ…きなさ…!」
『愛美、気持ち良い…?
こんなに感じちゃって…ほら…』
「ん"っ…いや…っ…!」
「愛美!起きなさい!!!」
母に怒鳴られて目覚めた。
最低最悪な目覚めを初めて体験し、学校へ行くのが憂鬱になった。
そして、母の顔がはっきり見えてきた頃には自分の頬が紅潮していくのが感じられた。
昨日の出来事がフラッシュバックする。
「…愛美、顔赤いし汗びっしょり
だし、大丈夫?
風邪薬でも飲んでいく?」
「ううん、大丈夫。
第一私生徒会長だしさ…」
自分を励ますように元気な声を出して、ベッドから這い出る。
そして1階へ降り、椅子へ座った。
母が相変わらず心配そうな顔をしている。
「あなた~、愛美が風邪っぽいのよね~」
「風邪薬でも飲んで行きなよ、愛美の無理するのは見たくないからな」
(昨日はあんな事してたクセに___。)
その言葉を朝食と一緒に飲み込んだ。
美味しい筈の目玉焼きが喉を通らない。
「…ご馳走様でした。」
母が後ろで何か言っていたが、聞かずに食器を流し台に置いて2階へ向かった。
悲鳴を上げる体に鞭を打って服を着替え、歯を磨いて髪を梳かす。
時間はまだまだあったが、早めに家を出ようと思った。
「行ってきます」
「あら、早くない?」
「生徒会長の話まとめたいしさ」
「あっそうなの?行ってらっしゃい」
「行ってきます」
玄関をゆっくり閉めると、つい溜息が漏れる。
私は学校までバス通いで今日は早く出たからバスがあるか心配だったが、無事見つかった。
まだ閑古鳥が鳴く学校へ入り、教室へ向かうと数人の生徒達が楽しそうに話している。
気を引き締め直し、教室へ入った。
「おはよう、愛美」
「愛美おっは~!」
「テンション上げなさいよ愛美~!!!」
そこにいたのはいつものメンバー。
黒姫と拓也は机に座っており、魁斗は椅子に寄りかかって皆で集まって談笑していた。
「なんだ、面倒臭い奴等だけかよ…おはよう」
「面倒臭いってなんだよ~!!!」
そんな所が面倒臭いんだ。
「…愛美」
魁斗が私へ歩み寄り、後ろから抱き締められた。
黒姫と拓也は冷やかしをしてくるが、魁斗はお構いなしに首元に顔を埋める。
「…愛美、顔色が優れないけど大丈夫?」
喋ると吐息が首にかかり、こそばゆい。
少し首を捩ると魁斗は嬉しそうにもっと抱き締める力を強めた。
「ん…ええ、大丈夫よ。
昨日ちょっと寝れなかっただけ。」
「生徒会長だからって無理しちゃダメよ、愛美」
「黒姫、それ俺の台詞」
「何よ、愛美の1番は私なんだから」
魁斗と黒姫が啀み合って私を取り合ってくれている。
その間拓也はずっと黒姫と魁斗を止めようとしてくれた。
「ふふ…」
その光景に思わず笑みが零れる。
「笑うなよ愛美」
「そうよっ、こんな奴のどこが良いのかしら」
「愛美~」
「ううん、私皆大好きよ。
黒姫と魁斗が1番!!!」
「俺はっ!?」
「五月蝿い」
「うえ~ん~!!!」
こうして皆で笑い合って、やっぱりこの人達は私の1番だと、改めて感じた。
このメンバーで永遠になれば良いのに。
叶わない想いを胸に、生徒会長の言葉を考えた。

