「おはよ~」
「愛美おはよ~!!」
「おはよう愛美~」
「ああっ!翠それ私の~!!!」
「美味しい~」
朝から騒がしいこのクラスメイト達は、学校でも唯一無二の仲良さを見せ付けている。
喧嘩があったとしてもクラスメイト全員で解決をする。
些細な喧嘩でも、だ。
そのやり方に私は少しの疑問を抱いている。
(個人の問題なんだから、クラスメイト巻き込んでまで解決しなくても___)
口にして何人かに言ってみるが、
「愛美はクールだからね、別に愛美が気にしなくて良いよ!!!
私達が愛美を守るから!!!」
と言い、真面目に答えてはくれない。
本当に仲が良いのか私には理解出来なかった。
「おはよおおおお愛美いいいいい!!!」
「…黒姫五月蝿い」
「えへへっ」
幼馴染みで親友の小林黒姫。
常にハイテンションでクラスの中心的人物である。
「あっ、おはよお拓也君!!!」
「おはよう黒姫!!!今日も可愛いな~ww」
「知ってるう~!!!」
「コノヤロー!!!♡」
そして今出てきたハイテンション2は田中拓也。
黒姫の彼氏だ。
「はあ…おはよう愛美」
「おはよう魁斗」
王子のようなキラキラしたこの人は、私の彼氏。
信じられないかもしれないが、このクラスは顔面偏差値が高い。
その割に勉強もスポーツも出来る優秀クラスとしても有名だ。
「朝から幼馴染みが大変そうね」
クスクス笑うと魁斗はムッとした顔になり、すぐに溜息をついた。
「本当だよ…俺等五月蝿い幼馴染みを付き合わせちゃったな…」
「ふふ、でも私は魁斗が良いわ」
「愛美大好き」
女子私より可愛いんじゃないかと思うセリフを吐いて私に抱きついてきた。
頭をポンポン叩いてやると少し照れくさそうに微笑む彼が可愛くて、つい私の頬も緩む。
「イチャつくんじゃねえぞ美男美女カップルが~!!!」
「拓也五月蝿い」
「はいはいお前等席付け~」
「あ、野口先生おはよ~!!!」
クラスの担任、野口先生が入って来たら魁斗は立ち上がって席についてしまった。
寂しくて見つめていると、笑顔で手を振ってくれた。
私を愛してくれる、愛おしい彼氏。
「またクラス別能力テストでこのクラスが1位だった。
流石だな、自慢の生徒達だ」
「野口先生そんなの当たり前っしょ!!!」
「天下の野口先生が担任だから当たり前じゃ~ん!!!」
「う~皆大好きだわ!!!」
いつもと変わらない日常。
ずっと、このまま続けば良いと思った。