「ねぇ…凛斗に謝ってよ。
あんたの憎しみの相手はあたしでしょ?なんで凛斗を刺そうとしたの?
凛斗を傷つけようとしたの?
凛斗の言ってたことは間違ってない。
あなたが一番わかるんじゃないの?
ねぇ、教えてよ。
凛斗に謝ってよ!」

大声で叫び、優香に詰め寄るあたし。
雅はそんなあたしを睨んでくる。

「あんたが、優香をいじめたくせに、何言ってんの?」
和樹があたしを睨みながら言う。

「あたしっ、刺すつもりなんてなかったのに!あんたが大袈裟にしたんじゃないっ!!」
と泣き叫ぶ優香。
そんな優香を抱きしめながらあたしを睨む雅。
「…おい、優香は悪くねぇだろ。
元はお前が悪いんだろ。お前が優香に謝れ。」

…あたしは、この言葉に耳を疑った。

なにそれ…あたしが、全部悪いの…?
そういえば…雅…あたしと付き合ってた時からそうだ。
喧嘩をすれば全部あたしのせい。
って責められて殴られたりして。

…あたしは、絶望で言葉を失い涙を流した。

「おい、何とか言えよ。」
低い声で責める元、愛しい人。

「…何とかって何よ!
あたしが言っても、どうせあんた達はあたしじゃなくてその女を信じるんでしょ!?
なら、言う意味なんてないじゃない!
…もう、あたし…しんどいんだよ!
何なの!?いじめてないのに、いじめた扱い。刺されたのに、大袈裟で被害妄想扱い。
あたし、そんなに信じられない汚い人なの!?ねぇ、おしえてよ!」

早口で責めた後
あたしは、その場に座り込んだ。
目からは涙が止まらない。

凛斗は、あたしの手を握ってくれている。
誠は肩を抱き寄せてくれている。
隼人はあたしの頭を撫で続けてくれている。
この三人の優しさで余計に涙があふれた。
「なら、何よ。…っ、あたしが悪いっていうの…?」
動揺した声で叫ぶ優香。

すると、誠が…

「そうだ。永遠、傷からばい菌が入らないように保健室行くぞ。
…おい、もう俺らには金輪際近づくなよ。」

と吐き捨て、あたしを姫抱きにして屋上を出て行く誠。
凛斗と隼人もあたしの横に付いてくれている。

屋上のドアが閉まる前に見えた…
最後の景色は動揺し、立ち尽くした三人の姿だった。