あたしの腕の中でコクコクと頭を縦に振った。

少ししてから凛斗は、屋上に雅達を呼んだ。
あたし達は、影に隠れてた。

「____っんでよ…っ‼︎なんでなのよっ‼︎
みんなして、永遠を信じる。永遠を信じるって‼︎あたし、いじめられたのよ⁉︎」

大声で叫ぶ声がする。
多分、優香だろう。

「あれが優香の本性だろ…」
「気持ち悪りぃ。」
口々に言う、隼人と誠。
すると…

「そうだぞ、凛斗。お前は、永遠をよく慕っていた分…裏切られたショックが大きすぎて…気が動転しているんだろ?」

雅が相変わらず低い声で言いながら、凛斗の肩をポンと触れた。
凛斗の体がビクッと震える。

「違う…‼︎永遠ちゃんは何もやってない‼︎
むしろ…ゆぅちゃんが、永遠ちゃんをいじめてる‼︎」
と大声で叫ぶ凛斗。

そんな凛斗に対し、優香が…キレた。

「何なのよ⁉︎あんた…あたしはいじめられた側よ⁉︎
なんであたしがいじめた側になるのよっ!!ふざけないでっ!!」
優香がキラリと光るモノを持ち、構えた。

凛斗はナイフなどの刃物恐怖症だ。
優香はそれを知っているのか…知らないのか。

凛斗は震えている。体からは汗が出ている。
優香が振りかざし、凛斗に目掛けて振り下ろした…その時。
あたしの体は無意識に動いていた。

「凛斗っ!!!」
あたしは凛斗を庇った。
手に、激痛が走る。
左手からはナイフが刺さったままで、血がボタボタと垂れている。
右手は凛斗を抱きしめている。

「ひっ…!ば、馬鹿じゃないの!!そんな子…裏切り者を庇うなんて!」
と凛斗とあたしを交互に指差す優香。

「永遠っ!!!」
誠と隼人が走ってくる。

「永遠…ちゃんっ!腕!ぼ、僕のせいで…っ!」
混乱して涙を流す凛斗。

「…っ…あたしは、大丈夫。それより、凛斗こそ大丈夫…だった?」
腕の中の凛斗に微笑みかける。

驚いて目を見開き固まってる和樹。
何食わぬ顔で優香を抱き寄せる雅。

…そんな雅と、優香にあたしはキレた。