ハァ…ハァ…
息を切らしながらあたしは学校に向かった。

ほんっと、学校まで遠いんだよね…。

てか、正門通れないじゃん。

どうせ、アレでしょうけど。

あ、アレってのはね、華月の幹部以上組の登校のこと。
もちろん、現姫…も、いるよ。

あたしは、あいつらと会っちゃうと殴られたりするから…早く行かなきゃ…。

正門をくぐるたびに向けられる好奇の目と、蔑んだ目。
どちらも、あたしが華月から追い出された裏切り者だから。

あたしは、何もやってないっつーの…。

いきなり正門が賑やかになった。

「きゃあっ!雅様っ!」
「誠様ー!おはようございますっ!」
「凛斗様ー!今日もかっこいいですわっ!」
「おはようございます、隼人様ー!」
「和樹様ぁっ!好きですっ!」