何こいつうざいな。

あたしは、そんなことを考えてた。
そしたら、目の前にいきなり人が立ってて甘ったるい……いや、臭い香水の匂いに吐き気がした。

恐る恐る顔を上げ、少し上目遣いに前に立ってる人の顔を見た。

やっぱり、こいつか……。
あたしの考えてた通り、守られる存在のお姫様。だ。
「永遠ちゃぁん。あのねぇ、委員、変わってくれないかなぁ?」

断るとめんどくさそう…

「あぁ、いいよ。」
あたしは、少し小さな声で答えた。

いいよ。って。

それなのに…
「ダメ…よねぇ。
ごめんねぇ?でも、あたし…本当に雅としたかったのもあるけど…みんなの役に立ちたくて…。男目当てなんかじゃないのにっ…酷いよぉ…ふぇ…」
そう言って顔を抑えてしゃがみこむ女。

あたしの席の周りには一瞬で人が集まってきた。
「ちょっと!優香ちゃんに対して酷いじゃない!謝りなさいよ!優香ちゃんは親切心で変わるって言ってくれてるのに…何、悪者扱いしてるのよっ!!」

陰で優香の悪口を言ってる人も、あたしを責めてきた。
顔を殴られ。
足や手を踏みつけられ。
髪を引っ張られ。

多分、今…優香も、雅も…いや、皆…いい気分なんだろうな。

あはは…あたし、何やっても…ダメじゃん…
笑えない……

そこで、あたしは意識を手放した。