初恋は階段から始まった。


私たちはギリギリで理科室に入った。

幸い、遅刻扱いにはならなかった。


でも、さっきのかっこいい先輩のことで頭がいっぱいで、実験に集中できなかった。




授業が終わり、教室に帰る途中、愛莉に話してみた。


「…ねぇ愛莉、私、初恋かも…。」


「えっ、ええええーっっっ!?」


「うるさいよっっ」


「えっ!?あの、あの雫が初恋ー!?」


「ちょっ!声が大きい!」


焦って愛莉の口をふさぐ。


「もが…っ、ごめんごめん…。それで?相手は誰!?優真?洸太?誰~!?」


「ん…、あのね…」


こそっと愛莉に話した。


「今日、私とぶつかった先輩…っ」


「えっ」


「え?」


「さ、ささ…佐賀先輩?佐賀 悠大先輩?」


「佐賀 悠大先輩っていうの?教えてくれてありがとー!」


「なんでそんなに呑気でいられるのよっ!やばいよ、雫!佐賀先輩のこと好きな人なんて、この学校に何人いるか知れたもんじゃないのに…っ」