ここにいるのは巳甘さんと僕の2人きり。
運よく他の客はいないみたいです。
「巳甘さん…。」
「うん…?」
「とても素敵ですよ。」
「……!」
顔が赤くなる巳甘さん。
なんだか、表情が柔らかくなって来ましたね。
「あ、これ傘です。巳甘さん日光が苦手と言ったのでこれで日光を防いで下さい。」
「わぁ…!とても綺麗。…あ、蛇の絵が。大事にしますね。」
そう言って笑う貴女は昨日今日見てきた笑顔で1番素敵でした。
「…可愛すぎです。」
「そ、そんなに褒めないで…。恥ずかしい。」
「聞こえたんですか?」
「うん。」
「は、恥ずかしいです。」
僕は無意識に巳甘さんを抱きしめてた。
氷雨さんが来るまでずっと…
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呉服屋を出た後巳甘さんは傘を差しながら歩いていた。
「巳甘さん、甘い物食べに行きませんか?」
「小五郎さんが好きな物ですよね?甘い物って。」
「ええ。」
「行きます。連れて行ってください。」
「では、行きましょう。食べてほしいものがあるのです。」
僕たちは甘味処へと向かった。