「目…見てもええか?」
「うん。」
あたしは目に巻いてるものをとった。
ゆっくりと目を開ける。
「きれー……な瞳やわ。」
「そう言ってもらえると嬉しい。けどね、あたしは目を隠す。」
「そうした方がええよ。他の人がみたら利用しようとするかもしれんからな。」
「分かった。」
「さあ、この話はまた今度しよな。それよりも早く着物来てや。これが足袋で…」
説明しながら着させてもらった。
「よし、これでええよ。ほら、これ鏡いうんや。見てみ。」
あたしは大きな鏡というものを覗いた。
「わぁ…。綺麗…」
鏡に写ってるのがあたし…?
あたし自身を見るのは始めて。
あたしこんな感じなんだ…
「着物どう?」
「うん!凄い!綺麗だよ!」
あたしが着ている着物はあたしの瞳と同じ赤で、所々にお花がかかれてある。
それに足についている下駄っていうやつは歩きにくいけどとても素敵。
「うーん…どうせなら髪もしよか。巳甘、そこ座ってや。」