「普通でいいの。小五郎さんを馬鹿にしないで。」


軽く馬鹿にされた感じがして嫌だった。


「ご、ごめん…。」


「分かればいいよ。沖田さんだって自分の大切な人馬鹿にされるの嫌でしょ？」


「うん。だから、ごめんってば。」


「じゃあ、金平糖頂戴よ。あたし、持ってた金平糖全部食べちゃったから。ね？」


持ってた金平糖は全部食べてしまった。


「あの金平糖は？」


「あれは小五郎さんのだもん。」


記憶が戻る前に男の人…小五郎さんからもらった金平糖は食べてない。


あれはあたしのじゃないから。


「はぁ、ほら。僕の金平糖あげる。本当は僕の金平糖だけど。僕のだけどね。」


なんだかんだで沖田さんはくれる。


素直じゃないな…


まあ、いいや。


沖田さん優しいし。


「ありがと。甘い物食べたら元気出るんだ。特に金平糖。」


「僕もだよ。」


「一緒だね。えへへ。」


あたしは沖田さんからもらった金平糖を二、三粒口の中に入れる。


ガリ…ジャリジャリ。


やっぱりこの音好き。