「ここから出してよ!」


「駄目。なんなら桂の居場所教えてよ。」


「それも嫌だ。」


あたしが出してといえば教えての繰り返し。


「暇なの。」


「桂の居場所教えてよ。」


口開けばそればっかり。


しつこい。


なんだっけ…うーん。


あ、そうそう!


「沖田さん、しつこい男は嫌い。大嫌い。」


お龍ちゃんに結構前に聞いた。


こう言えば大抵の男は黙るんだって。


沖田さんは…


「……」


あ、黙った。


なんか面白いかも。


今度からこう言おう。


「何笑ってるの?巳甘さん。」


「ううん。何にもないよ。えへへ。なんだか楽しくて。」


そういえば人と話すなんて久し振り。


藩士たちは皆長州に帰ってしまったからね。