「え、いいよ。」


あたしは断った。


「いいんですよ。」


「なんで?」


「貴女甘い物好きそうですし。女性は皆甘い物好きでしょう?」


「甘い物…?」


「食べたことないんですか?口を開けてください。」


あたしは口を控えめに開けた。


すると何か小さくて固いものがあたしの口の中に入った。


「噛んで下さい。」


ガリ…


思ったより硬かった。


ジャリジャリ…


「美味しい…。この音あたし好き…。」


「音ですか?」


「うん。このジャリジャリっていう音あたしは好きだよ。」


あたしは音を楽しみながら食べた。


なんだか前に食べたような味がする。


懐かしい…


「巳甘さん?何をしてるの?」


「では、僕はこれで失礼します。ぶつかってすいません。」


沖田さんが戻ると男の人は急いでその場から離れる。


けど、あたしにはそんなことすら分からなかった。


あたしは男の人からもらった金平糖の袋を握りしめながら、金平糖を味わってた