「知らない…けど、何故か分かるの。前にこの声聞いたことある。」とも付け足した。


「巳甘?何をゆうとるんや?あたしら友達やろ?」


お龍は巳甘に詰め寄った


「あたしの名前知ってるの?あ!だったら、あたしの事教えて?」


な、何を言い出すんじゃ?


いきなり記憶がないなったような言い方して…


「あたし、記憶がなくなったみたいでね。気がついたら人間の服着てるし、人間が沢山いるし…」


「巳甘?」


「でも、覚えてるのは前いた人たちの声とか、食べ方、ここでの暮らし…それに……きゃ!」


「巳甘さん、日光に当たり過ぎだよ。そろそろ帰ろ?











あ、そうそう。今回は巳甘さんがいるから、見逃してあげるよ。それにあいつに言伝よろしく。"この子の事気に入ったから。"って。」


そう言って沖田は傘を手に取り巳甘を横抱きにしたまま人混みに紛れて何処かへ行った。


わしらはただ見てるだけしか出来なかった。