幸いにも転ばんかった


「僕にぶつかってくるなんていい度胸ですね。」


前からものすんごい黒い…


顔は笑ってるがさ、殺気が半端ないぜよ


「すまんき。前をみちょらんかったぜよ。おんし、大丈夫がじゃ?」


「僕は大丈夫ですけど。僕は」


今こいつ二回ゆっちょったな。


僕はって気にしとるが?


こいつ色白で弱そう…こいつもしかして新撰組1番隊組長沖田か?


小五郎から聞いたことある。


色白で弱そうだった…と。


ばれんようにせんといかんのぅ。


「僕は?ん?他に誰がおるんじゃ…っだ!」


バキッ


「あんたの目はどこについとるん?」


こ、この声はお龍かえ?


「あたしから逃げようって思うとるんや?」


「に、逃げてないぜよ!ここに巳甘がおるような気がしちょったからじゃ!」


「はぁ。その前に龍…ムグ」


「し。あの男もしかしたら沖田総司かもしれんき。わしの事はだまっちょれ。」


「わかったからはなしぃや!」


わしは口から手を離す