「沖田さん。」
「何?」
「あたし生きないと駄目…?」
「それは巳甘さん次第。」
さっきからあたしの事を巳甘と言う沖田さん。
あたしに名前なんてあったんだ…
やっぱりあたし記憶喪失なのかな?
よく分からない。
「あたし次第…」
「そう。君次第で殺すか殺さないよ。」
「沖田さんはあたしの事知ってるの?」
「少しならね。」
「だったら、あたしに知ってること教えて。」
記憶を取り戻さなきゃってもう1人の自分があたしの中にいる。
「君は…桂小五郎の恋仲かな。」
桂…小五郎。
初めて聞く名前だけど何故だか愛おしく感じる。
「知らないよ。」
「今は覚えてないかもしれないけどそのうち思い出すはずだよ。」