ましては敵かもしれない女なんか惚れるわけがない。


ただ早く目を覚まして欲しいだけ。





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あれから一ヶ月女は目を覚ますことはなかった。


僕は暇さえあれば女の横に座ってる。


どうしたんだろう僕。


こんな女なんか興味ないのに。


『惚れたのか?』


ドキ


前に一君が僕に聞いた言葉を思い出した


ほ、惚れてなんかいないから!


僕が一人で頭を抱えて左右に振った


そんな時女が目覚めた。


「っう…」


指が少し動いたけど目はまだ開いてない。


「あ、覚めたんだね。」


僕は急いで部屋を飛び出し近藤さんと土方さんを呼んで僕の部屋に連れてきた。


ガラ


「近藤さん見てください。起きているでしょう?…土方さんも一応見てください。」


「一言余計だ。」


「ほらほら!」


僕は女を指差した。


女は横になって目を閉じていた。


「なんだ?まだ寝てるじゃないか。」


「本当ですよ、近藤さん!」


少し大きな声を出してしまった。


「…うるさいよ。」


凛とした高めの柔らかい声。


女の声かな?


僕たち三人は黙って女を見たけど、女は目を瞑って横になっていた。


「起きてる…?」


僕が恐る恐る声をかけると女は上半身だけ起こしてこっちを向いた


目を閉じたまま。


「なんで人間の声が……?」


「おい、目を開けろ。」


「人間ってのは乱暴なのね…」


女はゆっくりと目を開けた。


「…人間って乱暴な生き物なんだ。」


目が前に見たよりも赤く赤く染まっていた。