「ふぁぁ。」
「お前緊張感ないな。」
「原田さんに言われたくない。」
今僕は朝っぱらから市中巡察。
今日は1番組と10番組が当番。
「なんで朝っぱらから?馬鹿土方。」
「総司、毒付くのはいいけどよ…。」
「はいはい。先に仕事でしょ?」
「よく分かってるじゃねぇか。」
原田さんは僕の背中をバシバシと強く叩く。
はっきし言って痛い。
心の中で悪態をついた時
「沖田組長!」
「何?」
後ろにいた1番組隊士が何かを持ってきた。
「これが落ちていました。」
みると風呂敷と財布だった。
財布の中を見てみるとほんの少ししか入ってなかった。
「これは何処に落ちてたの?」
「彼処です。」
「すいません、原田組長。こんなものが落ちていました。」
今度は原田さんの組の隊士が持ってきた。
「なんだこれは傘か?にしても黒いな。」
原田さんは黒い傘を手に持って見ていた。
「お、これは蛇の絵が書いてあるぞ。」
「蛇?」
「ほら、見てみろよ。」
僕は傘を見た。
真っ黒の傘に白い蛇が書かれてあった。
この傘見覚えがある。
「この傘…あの女のだ。」
あの女…桂小五郎の女。
目が真っ赤な奇妙な女だ。