「なら、何故ここに来た。」
「そ、それは…巳甘さんとはぐれてしもうて謝ろうと思うたんどす。」
「おかしいですね…。巳甘さんからはぐれたとは聞いてませんよ。」
「か、桂はん…。怒らんといて。うちは怒られることなんかしてまへんよ?」
どうすればいいの?
このまま幾松さんを庇って嘘つけばいいの?
それとも本当の事言ったらいいの?
分からないよ…
そんなあたしに晋作さんは気付いて
「おい、桂。お前は巳甘を頼む。幾松の事は俺がなんとかする。おい、幾松こっちに来い。」
「ちょっ、高杉はん!乱暴にせんといてや!」
わーわーと喚く幾松さんを晋作さんが連れて行くのが分かる。
あたしはこの悩みから少し解放されて腰が抜けた。
「わっ!危ないですよ!」
そんなあたしを小五郎さんが抱きとめる
そのまま後ろから抱きしめられた。
「大丈夫ですか?」
「うん。ありがと…」
「桂さん、幾松さんには充分気を付けた方がいいですよ。」
「御忠告ありがとうございます、伊東さん。」
「巳甘すまへんな。取り乱してしまって…」
お龍ちゃんが近くに来てあたしの手を握りながら言ってきた。
「ううん。お龍ちゃんが落ち着いたのならよかったよ。」



