話が一段落した所に幾松さんが入ってきた。


「失礼しますどす。」


ガラ


「すまへんお話の最中に。」


「あら、幾松はんやない。」


お龍ちゃんが幾松さんの所に行こうとする。


そんなお龍ちゃんをあたしは止めようとする。


「ちょっと、お龍ちゃん…」


けど、お龍ちゃんはあたしが止めても幾松さんの方に進んで行く。


バチッ


「おまっ、お龍…何しちょんがぇ…?」


「あんさん、よう平気でのこのここっち来るん?」


「何ゆうてますの?」


「お龍ちゃん落ち着いてよ。あたしは大丈夫だったんだし。」


「でも!」


「いいの。だから、落ち着いて?」


「分かった。」


お龍ちゃんは龍馬さんのところへ行った


「あーあ。後がついたらどうすどす?」


「幾松。」


西郷さんが声をかけた。


「西郷はん、どうされました?」


「何故お前はここへ戻って来たんだ?俺は芸妓はもういらないと言ったはずだが?」


「それは存知あげてますわ。」