ガラ


「巳甘おったで!」


早い…


お龍ちゃん走るの早いよ。


「ごめんなさい…心配かけました…」


あたしが座敷に上がった途端


ガバッ


「わぁっ!」


「よかったです…無事で。」


小五郎さんが抱きついてきた。


「大袈裟だよ。」


「新撰組がいたそうなんで巳甘さんが捕まるかと思って…」


「新撰組?あ、いたね。」


「え?あったんですか?」


「うん。」


「何か変な事されませんでしたか?」


「えっと…。」


幾松さんに無理矢理あそこに連れて行かれた事を言ったら不味いから


「包帯くれたんだ。」


「巳甘、それは違「お龍ちゃん、女だけの秘密ね。」…分かった。後で詳しく聞いたる。」


「うん。」


「包帯って?」


「つけてた包帯が駄目になったから、もらったの。えーと…誰だったけ。あ!土方歳三って人から。」


「はぁ?巳甘、お前本当か?」


晋作さんが食いついてきた。


「お前らいい加減座れや。」


「「はい…」」


少し不機嫌な西郷さん。


あたし、小五郎さん、晋作さん、お龍ちゃんは自分たちが座ってたところへと戻った。


「で、何があったんだ?」


「晋作さん、話しますから手…離してよ。」


「あ、ごめん。」


晋作さんはあたしの手を握ってきてたから離してもらった。