あたしは晋作さんのいる方へと向いた。
「じゃあ行くか。」
「うん。」
「手貸せ。」
あたしは晋作さんに手を差し出した。
「腕を持っとけよ。」
あたしは晋作さんの腕をしっかり持った。
そのまま皆がいる座敷へと向かう。
「はぐれんなよ。」
「うん…」
行きとは違い帰りは2人とも無言だった
ガラ
部屋について入ろうとしたら誰かが出てきた。
「なんだ幾松か。」
「やっぱりあんさんら恋仲やないの。」
え?
幾松さんの声?
さっきは高かったのに。
今は低い声。
「幾松さん?」
「巳甘はん、うちについてきてくれまへん?」
ガラ
幾松さんは襖を閉めてあたしの自由な片方の腕を掴む。
「幾松。こいつに何する気?」
「そんな怒らんでもええよ。」
最初の高い声でいう幾松さん。
「少しお話がしたいだけや。」
な、なんだ話がしたいだけなんだ。
「晋作さん、少しだけ話してくるね。幾松さんがあたしと話したいって言ってるから、ね?」
「ったく。なんかあったら叫べよ。」
あたしは頷いて幾松さんに引っ張られて行った。



