あたしは晋作さんの後ろをついて歩いた。
さっき出る時聞こえた幾松さんの声が離れない。
『桂はんはうちのもんや…』
「巳甘大丈夫か?」
「あ、うん。大丈夫だよ。」
「気にするなよ。」
「え?」
「幾松だろ?」
「うん…」
「あいつはな結構前からな桂の事が好きなんだ。」
「結構前…?」
「ああ。巳甘と出会う前からだ。桂が仕事で頻繁に島原に通った時いつも幾松が任せられてたんだ。桂のいる座敷に。そこからだな。」
「今は桂さん島原に行ってませんよね?」
「そりゃ、あいつが島原でやらないって言い出したんだからな。」
「そうなんだ…」
「ほら、さっさと目を隠して来い。」
気がついたら誰もいない廊下へ来てた
「うん。」
あたしは急いで目を隠した。
「終わったよ。」



